Mirai Summer Camp 2019

Xiborgは毎年六本木ヒルズで行われるMirai Summer Campでワークショップをやらせていただいています.なんと今年で5回目になります.3年前からレゴを使った受動歩行器を使って,歩行の勉強をしてもらい,その受動歩行器を持って帰ってもらうようにしています.

なぜ受動歩行器か?

パラリンピック開催国ということでスポーツ用義足を一般の方にも履けるようにした体験用義足を用いた義足体験会がよく行われています.これは手軽に開催できるせいか,オリパラ関連イベントでよく見られますが,正直やっている側からしたら,何回かやった時点で飽きてしまいました.というのも体験用義足さえあれば誰でも開催できるからです.人間の歩行とはどういうものなのか,その足がなくなることの意味は,なくなった時,足そのものの機能を目指すのか,それとも機能に特化した義足を目指すのか,など色々な思考を巡らしたく,子供むけなら科学実験の要素もあったらおもしろいのではと思い,レゴで手軽な受動歩行器をみんなで作り,人間のような歩行がいかに難しいか,そして効率がよいかまで学べるような授業ができたらよいなーと思い,はじめました.

実際の様子

講義の内容は義足アスリートの春田選手と時間を半分にわけ,前半を受動歩行器の組み立て,後半を競技用義足の体験と春田選手のデモと交流の二本立てにしました.前半はレゴの歩行器の組み立てがちょっと難しかったのか,思っていたより時間がかかったのと,受動歩行器は適切な初期条件を与えないと歩かないので,なかなか歩かせることができませんでした.一方で春田選手にはかなり子供の食いつきがよく,終了後も写真撮影の列ができていました.別の視点で見ると,講義の中身は研究者vsアスリートの構図ができていたと思うのですが研究者の惨敗でした.それだけアスリートはかっこいいです.

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中には作り方を教えて欲しいという方も複数いらっしゃったので,ここで公開します.

同日使用したスライドを下に貼り付けました.このスライドの中に,パーツの買い方や組み立て方が載っています.


普通に組み立てただけの受動歩行器は以下のようにうまく初期条件を与えてあげれば歩くことができます.